「自治権はく奪」でインド化強行のモディ政権と戦うカシミールの若者
応急の診療所
負傷して運ばれてくる抗議活動の参加者を逮捕しようと、治安部隊が地元の病院に目を光らせていると話す住民もいる。治安当局が放った空気銃で負傷した人々は、拘束されることを恐れて病院を避けているという。
「怪我の具合が深刻だったり、目に当たったのでない限り、病院には行かない」と、負傷者の手当てをしている理学療法士のヤワル・ハミードさん(23)は言う。
2階建ての木造家屋で、ハミードさんは、左目の近くに空気銃の弾が当たって負傷したバシル・アフメドさん(45)の傷を消毒していた。
だがハミードさんは、空気銃による傷の手当を学んだことがあるわけではないという。
ハミードさんは、鉗子(かんし)を使ってアフメドさんの腰から弾を取り除いた。その数分後には、若い男性2人が担ぎ込まれた。胴体の前面のあちこちに、空気銃が当たって出血していた。
「ここに住むなら、(治療の)やり方を分かっていなくては」と、ハミードさんは話した。
Zeba Siddiqui and Fayaz Bukhari
(翻訳:山口香子、編集:久保信博)
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