イタリア、コンテ首相辞表提出で再び政治危機 連立と選挙の想定シナリオは
◎コンテ氏が新政権を率いる可能性は
もちろんある。法律家で政治的な色のないコンテ氏は、現在の連立政権内では理性の代弁者とみられてきたし、マッタレッラ氏との関係も良好だ。特に議会がコンテ氏の不信任案を可決しなかっただけに、同氏には再登板のチャンスがある。とはいえ、同氏は五つ星運動に近い人物と考えられており、PDが同氏の人気上昇を恐れて復帰を拒否するかもしれない。
◎次の選挙はいつ行われるか
それは、どの程度の時間をかけて全ての選択肢を模索しようとするかに左右される。マッタレッラ氏は21日、来年の予算を成立させるために秋の段階では政府が存在していてほしいとの考えを明示している。つまり選挙は10月末までには終わっているか、来年以降になるはずだ。
イタリアは第2次世界大戦以降、秋に選挙が実施されたケースはない。
◎新たな選挙の結果はどうなるか
五つ星運動が第1党になった昨年の総選挙以降、各種世論調査によると同盟の支持率は2倍になっている。現在は34─39%あり、次の第1党の座を手にするのは容易だろう。ただ同盟が絶対的な過半数を確保できなければ、サルビーニ氏は連立政権に向けて、ベルルスコーニ元首相が率いる「フォルツァ・イタリア」と、「イタリアの同胞」という2つの中道右派政党に声を掛ける可能性がある。
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