韓国で広がる東京五輪不参加を求める声、それを牽制する韓国政府
東京五輪不参加を求める韓国市民 ARIRANG NEWS-YouTube
<東京五輪をボイコットしようという声が韓国内で上がっている。政治とスポーツは分離すべきという主張も上がるが、ボイコット派は福島の放射能を問題視している......>
韓国文化体育観光部が2019年8月11日、東京五輪には参加すべきという見解を明らかにし、文在寅大統領も同年8月15日の光復節記念式で、平昌冬季五輪から東京夏季五輪、2022年の北京冬季五輪へと続くリレー開催は東アジアが友好と協力の土台を固める機会だとして、国内で広がりつつある東京五輪ボイコットを牽制する発言を行なった。
SNSで広がる東京五輪不参加を求める声
日本政府が韓国をホワイト国から除外する決定を受け、東京五輪をボイコットしようという声が韓国内で上がっている。
プロバスケットボールチームは日本との親善試合や日本で予定していたトレーニングを相次いで取り止めている。昨シーズン優勝した蔚山現代モービスは日本バスケットボールチーム「サンロッカーズ渋谷」と行う予定だった親善試合を取りやめ、トレーニング先を江原道の束草に変更した。
平昌冬季五輪で注目を浴びた女子カーリングチームも日本で開催された国際大会への出場を取りやめた。女子カーリング京畿道庁は国家代表に選ばれた後、初めての国際大会だった。カーリングはワールドツアーでランキングポイントを積み上げてグランドスラムの出場権を得るが、その機会も逸しかねない決定だ。
ある世論調査機関は、国民10人中7人が東京五輪ボイコットに賛成していると伝え、また、国会文化体育観光委員会の共に民主党幹事シン・ドングン議員も東京五輪のボイコットを積極的に検討しなければならないと主張する。
東京五輪への不参加を求める声がインターネットコミュニティやソーシャルメディアを中心に広がっており、青瓦台(大統領府)の国民請願掲示板にも「東京五輪ボイコット運動」を提案するコメントが投稿されている。
日本は放射能に汚染されているという風評
日本遠征や日本チームの招待を取りやめる事例が相次ぐなか、政治とスポーツは分離すべきという主張も上がるが、ボイコット派は福島の放射能を取り上げる。日本は放射能に汚染されているという風評を広げているのだ。
2011年3月に発生した福島原発の放射能漏れが報じられると、韓国民や韓国政府は過敏に反応した。同年4月14日、食品医薬品安全庁は、翌月1日以降に日本から輸入される食品を通関する際、日本政府が発行する証明書の提出を義務付けると発表したが、同庁が要求した証明書は、当時は商工会議所が担っており、日本政府機関が発行するスキームは存在しなかった。