第4弾対中関税制裁と為替操作国認定に対する中国の反応
これ以上書き続けると長くなりすぎるので、一応ここまでにしたいが、孫啓明教授は最後に「為替操作国」のレッテルを貼られた場合に、どういう影響が出て来るかに関して回答してくれた。
──実際には何もできないが、しかしアメリカ政府は「モラルと法律」の上で有利な立場に立ち、攻撃の度合いを強めて来るということは考えられる。なぜなら、もし為替を操作しているとなると、それによって取得したその国の利益を正当に評価することができなくなるからだ。そういう心理的な効果は持つだろう。それは他の国がどれだけトランプの措置を重要視するかによって変わってくる。重要視しなければ国際秩序の混乱を招く要素は少なくなり、逆にアメリカが孤立することを招く。中国は粛々と自国のやるべきことを進めていくだけだ。
なお、昨年8月28日、米財務長官のムニューシンがCNBCのインタビューで「人民元高なら為替操作ではなく、人民元安なら為替操作になる」という趣旨の発言をしている。
興味深い。
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
[執筆者]遠藤 誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『卡子(チャーズ) 中国建国の残火』、『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』、『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。
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