奴隷船から400年 現代もなおアフリカが受ける奴隷搾取
ヨーロッパ目指して密入国するも......
一方、2015年に仕事を求めてナイジェリアを出たオモビエさんも、奴隷にされた。借金して作った70万ナイラ(約20万円)を業者に支払い、サハラ砂漠を通ってリビアに密入国した。最終的には欧州に渡るつもりだった。
オモビエさんのようにアフリカから脱出する人の最終目的地は欧州であることが多いが、そこまでたどり着ける人はわずかだ。リビアに入った段階で当局に拘束されたり、契約労働者として売られてしまう人が多い。支援団体によると、「奴隷市場」で売られる例もあるといい、数百年も昔のサハラ砂漠の奴隷貿易さながらだ。
リビアに着いたオモビエさんは、トリポリの裕福なアラブ人家庭で、長時間の清掃の仕事を始めた。お腹が空っぽの状態のことも多かった。
「3カ月働いたのに、給料をもらえなかった」と、オモビエさんは言う。
別の業者が、イタリアへの渡航を助けてくれると約束したが、オモビエさんはリビア沿岸で警察に捕まり、6カ月間拘束された。移民や難民を支援する国のプログラムを使ってナイジェリアに帰国できたのは、この7月だった。
(翻訳:山口香子、編集:宗えりか)
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