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軍事韓国防空識別圏にロシア・中国が侵入 韓国F15とF16がロシア機へ360発射撃
7月23日、韓国軍は23日、同国領空に侵入したロシアの軍用機に警告射撃を行った。写真は2017年4月に撮影された韓国軍機。提供写真(2019年 ロイター/U.S. Marine Corps)
韓国の軍用機は23日、同国領空に侵入したとしてロシアの軍用機に数百発の警告射撃を行った。韓国の国防当局者が明らかにした。一方、ロシア側はいかなる領空も侵犯していないとしている。韓国国防省当局者によると、ロシア軍機が韓国の領空を侵犯するのは初めて。
同省によると、ロシアの爆撃機2機と中国の爆撃機2機がともに23日午前、韓国防空識別圏(KADIZ)に進入した。
その後、これとは別にロシアの早期警戒管制機1機が午前9時過ぎ、韓国が実効支配し日本も領有権を主張する独島(日本名・竹島)上空の領空を2度にわたり侵犯したという。
一方、ロシア通信(RIA)によると、ロシア国防省は、自国の戦略爆撃機が韓国領空を侵犯したことを否定。韓国の軍用機がロシア爆撃機の進路を横切り、同爆撃機と交信しなかったと指摘したほか、韓国のパイロットが公海上でロシア軍機の飛行を邪魔したのはこれが初めてではないとした。
また、中国外務省は、韓国の防空識別圏は領空ではなく、いずれの国もそこにおいて移動の自由を享受できるとコメントした。
韓国大統領府の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室室長は、ロシア安全保障会議のパトルシェフ書記に強く抗議した上で、ロシア安全保障会議に対し、事態の調査および適切な対処を要請。「この事態を非常に深刻に受け止めており、このようなことが繰り返された場合は、さらに強い装置を取ることになる」と述べた。韓国大統領府が発表した。
韓国外務省報道官によると、同省は23日、ロシアのマキシム・ボルコフ首席公使と中国の邱国洪大使を呼び、厳正に抗議するとともに、再発防止を強く求める方針だ。
韓国軍合同参謀本部当局者によると、領空を侵犯したロシア機はA50空中早期警戒管制機。韓国側は戦闘機F15とF16でスクランブル(緊急発進)をかけた。
同当局者によると、韓国の戦闘機は約360発の警告射撃を行った。
韓国国防省は、警告射撃を含め「韓国軍は戦術行動を取った」とした。
韓国国防当局者がロイターに明らかにしたところによると、ロシア機は何ら脅威を与えるやり方で反応してくることはなかったという。
ロシア機は韓国領空を去ったものの、約20分後に再び領空に侵入。韓国側はさらに警告射撃を実施した。
韓国国防省は、韓国の軍用機が領空侵犯に対して「通常の対応を取った」と説明。詳細については明らかにしなかった。
一方、日本政府は今回の事案を巡り、韓国とロシア両国に対し厳重に抗議した。菅義偉官房長官は、韓国軍用機が領空を侵犯したとして警告射撃を行ったことに関して、「竹島の領有権に関するわが国の立場に照らして到底受け入れられず、極めて遺憾だ」と述べた。
*内容を更新し、日本政府の対応も追加しました。
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