イギリス「次期首相」ジョンソンを待つ5つの無理難題
Can Anything Stop Boris Johnson Now?
またジョンソンは合意なき離脱後も、国際ルールのGATT(関税貿易一般協定)第24条に基づき「現状維持期間」は非関税貿易が継続されるので、その間に関税交渉を行うとも主張する。これも無理筋だ。フォックス英国際貿易相は、24条が適用されるのは自由貿易協定に向け交渉中の国々だけだと指摘する。
これだけの無理を押してEUを離脱しても、未来は多難だ。スコットランドと北アイルランドではイギリスからの独立を問う住民投票を望む声が上がる。
スコットランドではジョンソンがすこぶる不人気で、もし彼が首相となると独立派が勢いを増しそうだ。現在はイギリス残留派が半数以上の北アイルランドでも、ブレグジットがこの地域にどんな影響をもたらすかが明らかになるにつれ、情勢は大きく変わるだろう。
<本誌2019年7月9日号掲載>
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© 2019, Slate
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