最新記事

米イラン

アメリカは「いざとなれば瞬時にイランを破壊できる」

U.S. Navy Would 'Stomp and Destroy' Iran 'In a Heartbeat': GOP Congressman

2019年6月14日(金)14時31分
ジェイソン・レモン

オマーン湾で攻撃を受けた2隻の石油タンカーのうちのノルウェーの船(6月13日) ISNA/REUTERS

<ホルムズ海峡近くでのタンカー攻撃でますます緊張が高まる米・イラン関係。戦争を警戒する声も>

ホルムズ海峡近くのオマーン湾で石油タンカー2隻が攻撃された6月13日、米共和党のアダム・キンジンガー下院議員は、米海軍ならイランを「瞬時に破壊できる」と警告した。攻撃はイランの仕業だというのだ。

イリノイ州第16区選出のキンジンガーは13日、FOXニュースに出演し、ドナルド・トランプ大統領の対イラン強硬政策を支持。米政府は軍事行動を検討すべきかもしれないと示唆した。

<参考記事>イランがホルムズ海峡を封鎖したらどうなるか──原油高騰と戦争だ

「イランに対しては、経済的に圧力をかけ続けるだけでなく、必要とあれば進んで武力を行使すべきだ」とキンジンガーは主張した。「いざとなれば米海軍は、彼らを瞬時に押しやり、突き飛ばして、踏みつけて破壊するだろう」と断言した。

米国務長官「イランの責任」

攻撃を受けたのは、日本とノルウェーの企業がそれぞれ所有する2隻の石油タンカーだ。イランの国営イスラム共和国通信(IRNA)は、「イラン海軍は事故の現場に海難救助のための要員と設備を派遣した」と、イラン軍の声明を引用して報道。事故の原因は「調査中」だと伝えた。

<参考記事>【動画】米軍、イラン革命防衛隊が日本のタンカーから不発機雷取り除く映像公開

だがマイク・ポンペオ米国務長官は、イランを名指しで非難。「アメリカは、この攻撃についてイラン・イスラム共和国に責任があると判断した」とポンペオは述べた。ただし裏付けとなる証拠は示さず、イラン当局は否定している。

「イランが攻撃を仕掛けてくるのは、我々の『最大限の圧力』作戦を解除させたいからだ」とポンペオは続けた。「だがいかなる経済制裁も、罪のない市民を攻撃し、世界の石油市場を混乱させ、核の脅しをかけるイランに厳し過ぎることはない」

5月には、今回と同じ海域でサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、ノルウェーが所有する石油タンカーがそれぞれ攻撃を受ける事件が発生した。アメリカはこの時も、攻撃の背景にはイランやその代理勢力がいると非難。イランと対立関係にあるUAEとサウジアラビアもイランの仕業だと主張したが、イランはこれを否定した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アメリカン航空、今年の業績見通しを撤回 関税などで

ビジネス

日産の前期、最大の最終赤字7500億円で無配転落 

ビジネス

FRBの独立性強化に期待=共和党の下院作業部会トッ

ビジネス

現代自、関税対策チーム設置 メキシコ生産の一部を米
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負かした」の真意
  • 2
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学を攻撃する」エール大の著名教授が国外脱出を決めた理由
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    日本の10代女子の多くが「子どもは欲しくない」と考…
  • 6
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 7
    アメリカは「極悪非道の泥棒国家」と大炎上...トラン…
  • 8
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「iPhone利用者」の割合が高い国…
  • 10
    トランプの中国叩きは必ず行き詰まる...中国が握る半…
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 6
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 7
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 10
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中