イギリスで人種差別によるいじめが増加 肌をホワイトニングする子供も
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<2016年に国民投票でブレグジットが決定してから、イギリスでこどもへの人種に基づくいじめや虐待が急増していることがわかった>
子供の虐待防止に取り組むイギリスの福祉団体NSPCCの調査によると、イギリスでは子供に対する、人種に基づくいじめや虐待が3年前より約20パーセント増えたことがわかった。これには、1才未満の乳児に対する差別も含まれる。
NSPCCの子供電話相談チャイルドラインには、「仲間に入れてもらうために、肌の色を白くするクリームを使ったこともある」という10歳児からの悲痛な相談も寄せられている。
仲間に入れてもらうために肌を白く
NSPCCは2015年以降、2600件以上の電話相談を受けた。12歳から15歳の子供からの相談が多く、男の子より女の子が多いという。チャイルドラインには「汚い肌の人となぜ友達でいるのか、と問われ始めたので、私の友達は私と付き合うのをやめた。私はイギリスで生まれたのに、いじめっ子たちは私に『国へ帰れ』と言う。仲間に入れるよう、メイクの前に肌を白くしようとしたこともある」という10歳児の声も寄せられている。
また、同団体が警察から得たデータによると、子供に対する人種関連のヘイトクライムは2017年から2018 年で10,571件報告されており、1日約29件だった。2015年〜16 年の8,683件、16年〜17 年の9,752件と、3年連続で増加している。
ブレグジットやテロが引き金に
これらの人種に基づくいじめや差別は、2016年に国民投票でブレグジットが決定してから急激に増え始めたという。また、2017年のロンドンやマンチェスターでのテロの直後などにも急増している。
こうした攻撃のターゲットになるのは、白人以外のいわゆるヴィジブル・マイノリティ(可視少数派)だけではない。英インディペンデント紙によると、2017年から2018年の間には、イングランドとウェールズにて宗教に基づくヘイトクライムが40%も増加した。最も多く被害を受けたのはイスラム教徒だが、その次に多くターゲットとされたグループはユダヤ教徒だった。反ユダヤ主義、アンチセミティズムは昨今、欧州本土でも大きな問題となっている。
子供が危険な違法商品に手をだす結果に
こうした子供たちのほとんどが、親や身近な大人に事態を打ち明けられずにいる。ほとんどの移民の親にとって最大の願いは、子供たちが現地社会に「フィット・イン」(適応する、溶け込む)することだ。そんな親たちの願いを知っているからこそ、子供たちは親に心配をかけないように、何事もないそぶりを続ける。一方で、学校の教師に相談する場合もあるが、いじめが止むのはほんの一時だけで、しばらくするとまた同じことの繰り返しだという。