ファーウェイたたきはトランプの大博打
Huawei, China, and a Trade War
中国外務省の陸も、「アメリカは協議のルールを繰り返し否定し、交渉を難しくしてきた」と、アメリカ側の態度を厳しく批判した。「有意義な協議のためには、誠実な態度が必要だ」
この見方によれば、アメリカによる一連のファーウェイ攻撃は、アメリカの「誠実性」を疑うべき新たな理由にすぎない。ただしトランプ政権側に言わせれば、こんなことになったのは中国のせいだ。アメリカの交渉担当者らの話では、貿易合意の最終案が固まりつつあった段階で、大幅な変更を言い出したのは中国のほうだ。この「ちゃぶ台返し」がトランプの追加関税強行ツイートにつながった。
これまでの順番でいけば、次の貿易交渉は北京で行われるはずだ。だが、アメリカ側も中国側も、現在のところ開催の見通しは立っていないとしている。
トランプ政権のファーウェイに対するダブルパンチは、交渉を生き返らせるのか、それとも完全にとどめを刺すのか。世界は固唾をのんで見守っている。
From thediplomat.com
<本誌2019年05月28日号掲載>
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