比ドゥテルテ、産廃ゴミ回収の約束守らぬカナダに激怒? 大使と領事に帰国命令
効果的だったドゥテルテ流の強硬策
フィリピン外務省では15日の期限が過ぎたものの新たな期限を設定することはせずに、カナダ側が合意に基づいてコンテナを早急に回収するよう改めて求めている。
ただ、一部報道ではカナダ駐在のフィリピン大使は5月13日に行われたフィリピン中間選挙に関連して、カナダ国内で在外投票された票をフィリピン選挙管理委員会に提出するため、この時期に本国へ一時帰国する予定がもともとあったとも伝えられている。
このため領事召還は別にして「大使召還」はドゥテルテ大統領お得意の外交的ポーズの可能性もあるとの指摘も出ている。
大統領府のサルバドール・パネロ報道官は15日にはフィリピン大使や領事の召還には触れずに「外務省の説明によると、手続き上の問題で(カナダ側の)回収が少し遅れている。しかし準備は整っており、大事なことは回収が確実に行われるかどうかということだ」との立場を示していた。パネロ報道官は回収の遅れが「2から3週間になる」としていた。
その後外務省による大使、領事召還という事態を受けてパネロ報道官は16日には「フィリピン政府のこのゴミ問題に対する毅然として姿勢を示すものだ」としてカナダ政府に深刻に受け止めるよう求め「さらなる遅延はさらなる外交団の召還という事態を招くことになるだろう」と述べてカナダ政府に警告、早期回収を促した。
今回のカナダからのゴミ輸出問題は、ドゥテルテ大統領の"宣戦布告"発言をきっかけにマスコミや国民、国際社会の関心が一気に高まり、それを背景にカナダ政府に圧力をかけたことが功を奏して早期解決の道筋が見えてきたと言える。
ここへきて回収期限が守られなかったことで大使、領事召還という「新たなカード」を突きつけてさらに早期の回収に圧力をかけているフィリピン政府。
カナダ政府がドゥテルテ大統領の「攻勢一辺倒」の手法に屈したような展開に、国民の間ではさらにドゥテルテ人気が高まる結果となっている。