侮るなかれ、北朝鮮の「飛翔体」 新型短距離ミサイルはICBM超える脅威
ミサイルに込めたメッセージ
韓国政府の関係者らは、国連安保理の決議違反に当たる「弾道ミサイル」と定義することをためらった。
与党・共に民主党の安圭伯国防委員長は、「高度が低いこともあり、慎重な分析が必要だ」とコメントした。「事を急いて状況を悪化させるようなことはしてはいけない」
安委員長は、ミサイル発射の政治的意図について韓国軍が分析していると語った。可能性として、制裁措置の緩和の要求や、韓国軍が最新鋭のステルス戦闘機F35を購入するなどして軍事力を強化したり、米国と合同軍事演習を行うことへの抗議が考えられるという。北朝鮮は、発射実験後に発表した声明で、米韓の軍事演習について批判していた。
安氏はまた、発射実験には金政権に対する国内の求心力を高める狙いもあるだろうとの見解を示した。
ソウルにある梨花女子大学のリーフ・エリック・イーズリー教授は、「金政権は、圧力には圧力で戦うことを徹底している」と語る。「北朝鮮は、ハノイで勝ち取れなかった経済的譲歩を得られないならば、地域の緊張を高め、文大統領とトランプ大統領の間に政治問題を起こすと脅しをかけている」
ポラック氏も、金委員長が即座にICBMや核兵器を使用することはないかもしれないが、それ以外の挑発的な方法で膠着(こうちゃく)状態を打破しようとするだろうとみる。
「金委員長は米国に対し、今年末までに提案を見直すよう迫っている。しかし、一連の発射実験に対して意義のある反応が得られなかった場合、彼らはもう一押し、限界に挑んでくるかもしれない」
Josh Smith
(翻訳:宗えりか、編集:久保信博)
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