男女3人がホテルの一室で──クロスボウ怪死事件は心中か
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写真はイメージです Riccardofe-iStock.
<ドイツで起こったなんとも不可思議な事件。謎は深まる一方だ>
ドイツ南東部のバイエルン州パッサウ近郊でなんとも不可解な事件が起きた。5月12日、クロスボウ(洋弓銃)で撃たれたとみられる男女3人の遺体がホテルの一室で発見されたのだ。
検察によれば頭部を2回、胸部を3回撃たれた男性(53)と、頭部と胸部を1回ずつ撃たれた女性(33)が手をつないでベッドに横たわっていた。ベッドの脇には喉とあごの間を撃たれた別の女性(30)の遺体もあった。
中世の武器であるクロスボウがなぜ使われたのか。事件が注目を集めるなか、翌13日には約650キロ離れた町のアパートで女性2人の遺体が発見された。うち1人はパッサウで亡くなった30歳の女性の姉妹。死因は不明だが、室内からクロスボウは見つかっていない。
謎は深まる一方だが、パッサウの事件については室内に争った跡や第三者が関与した形跡がないことから、何らかの心中事件との見方が浮上している。死亡した3人が中世の武器収集を趣味にしており、男性は中世の武器や衣装を扱う店を経営していたとの情報もある。
<2019年5月28日号掲載>
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