最新記事

米中関係

トランプと習近平の米中ディールは、そう簡単にまとまらない

2019年3月9日(土)14時40分
キース・ジョンソン

今度の首脳会談で米中が何らかの合意に達した場合、アメリカの対中強硬派は失望を覚えるだろう。今回の貿易戦争を中国に譲歩を迫るまたとないチャンスと捉えてきたからだ。

サイバー安全保障上の脅威として問題視されていた華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)を、トランプ政権が交渉カードに使う考えをちらつかせたことには、特に不安が広がっている。トランプは同盟諸国に同社製品を使わないよう求めておきながら、このところファーウェイ問題を重視していないかのような発言をしている。さらに、同社幹部に対する起訴を取り下げる可能性も示唆した。

安全保障部門の対中強硬派は「そう簡単に引き下がらないだろう」と、シカゴ国際問題評議会のフィル・リービー経済担当上級研究員は言う。「特にファーウェイに対して手ぬるい措置が取られたら、彼らはこれまでの強硬姿勢を崩さない」

From Foreign Policy Magazine

<本誌2019年03月12日号掲載>

※3月12日号(3月5日発売)は「韓国ファクトチェック」特集。文政権は反日で支持率を上げている/韓国は日本経済に依存している/韓国軍は弱い/リベラル政権が終われば反日も終わる/韓国人は日本が嫌い......。日韓関係悪化に伴い議論が噴出しているが、日本人の韓国認識は実は間違いだらけ。事態の打開には、データに基づいた「ファクトチェック」がまずは必要だ――。木村 幹・神戸大学大学院国際協力研究科教授が寄稿。

20250304issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年3月4日号(2月26日発売)は「破壊王マスク」特集。「政府効率化省」トップとして米政府機関をぶっ壊すイーロン・マスクは救世主か、破壊神か

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア、大統領と親密な聖職者暗殺計画で2人拘束 ウ

ビジネス

米FRB、財政不透明でもQT継続可能=クリーブラン

ビジネス

自動運転ソフトのネット更新、中国が当局の承認義務付

ビジネス

中国人民銀行、アウトライト・リバースレポで2月に1
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:破壊王マスク
特集:破壊王マスク
2025年3月 4日号(2/26発売)

「政府効率化省」トップとして米政府機関に大ナタ。イーロン・マスクは救世主か、破壊神か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    イーロン・マスクのDOGEからグーグルやアマゾン出身のテック人材が流出、連名で抗議の辞職
  • 3
    東京の男子高校生と地方の女子の間のとてつもない教育機会の格差
  • 4
    日本の大学「中国人急増」の、日本人が知らない深刻…
  • 5
    「絶対に太る!」7つの食事習慣、 なぜダイエットに…
  • 6
    富裕層を知り尽くした辞めゴールドマンが「避けたほ…
  • 7
    老化は生まれる前から始まっていた...「スーパーエイ…
  • 8
    【クイズ】アメリカで2番目に「人口が多い」都市はど…
  • 9
    令和コメ騒動、日本の家庭で日本米が食べられなくな…
  • 10
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 3
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チームが発表【最新研究】
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    障がいで歩けない子犬が、補助具で「初めて歩く」映…
  • 6
    富裕層を知り尽くした辞めゴールドマンが「避けたほ…
  • 7
    イーロン・マスクのDOGEからグーグルやアマゾン出身…
  • 8
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天…
  • 9
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 10
    東京の男子高校生と地方の女子の間のとてつもない教…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 5
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 9
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 10
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中