話題作『ローマ』が映し出す、矛盾だらけのメキシコ
The Politics of Experience
これに対してプロデューサーのロドリゲスは、「(キュアロンには)自分の記憶を描く以外の意図はなかった」と強調する。「(口数の少ない家政婦は)キュアロンが記憶する彼女だ。そして記憶が事実とは限らないことを彼は否定するつもりはない」
アパリシオも、『ローマ』には好意的な意見と批判的な意見の両方があることを認める。「でも、少なくともこれによって、多様性を表現する重要性が語られるようになった」
クレオの役作りに協力したキュアロン家の元家政婦リボ・ロドリゲスは、『ローマ』の仕上がりに大いに満足しているようだ。プロデューサーのロドリゲスは、ニューヨーク・フィルム・フェスティバルで、リボと一緒に『ローマ』を見たという。
「リボは大泣きしていた。(キュアロンが)レッドカーペットを歩くときは、『私のベイビー、本当に立派になって!』と言っていた。彼女にとってはいつまでも可愛い子供なのだ」
<本誌2019年02年12日号掲載>
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