インドネシア、落盤事故で60人以上生き埋めか 劣悪環境の違法金鉱山、救助活動は手作業で
2019年2月20日には環境林業省がリアウ諸島州ビンタン県の3つの島の19か所でボーキサイトの違法採掘が行われていたことを明らかにしている。
さらに2018年4月25日にはスマトラ島北部アチェ州で違法に採掘していた油井で火災事故が発生し、作業員ら13人が死亡する事故も起きている。アチェ州は石油資源が豊富で地元住民が無許可で違法に石油を採掘しているケースが多く、当局の管理、監視が追い付かずに事故に至る事案も増えているという。
統計ではインドネシア国内の石炭生産量の20%は違法採掘といわれ、国内の発電所などに闇ルートで供給されることから石炭の価格の不安定化を招いているとさえいわれている。
低劣な環境での違法操業
救出された作業員や鉱山関係者、救援作業に当たっているBNPB関係者などによると崩落事故を起こした金鉱山は、26日に突然坑道を支える梁(はり)と板壁が崩壊して坑道を塞いだという。
インドネシアの違法鉱山では十分な資材がないまま、坑道の安全を確保せずに掘り進むケースが多く、未成年者が労働に従事している場合もあり、中央省庁などが監視と摘発を指示している。しかし地方の特に山間部において小規模で行われている違法採掘まで監視の目が届かないのが実情という。
[執筆者]
大塚智彦(ジャーナリスト)
PanAsiaNews所属 1957年東京生まれ。国学院大学文学部史学科卒、米ジョージワシントン大学大学院宗教学科中退。1984年毎日新聞社入社、長野支局、東京外信部防衛庁担当などを経てジャカルタ支局長。2000年産経新聞社入社、シンガポール支局長、社会部防衛省担当などを歴任。2014年からPan Asia News所属のフリーランス記者として東南アジアをフィールドに取材活動を続ける。著書に「アジアの中の自衛隊」(東洋経済新報社)、「民主国家への道、ジャカルタ報道2000日」(小学館)など
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