最新記事

米朝首脳会談

2度目の米朝首脳会談目前、北朝鮮は米国内の懐疑論をけん制

2019年2月25日(月)11時20分

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、米国内で野党民主党などから北朝鮮の非核化に懐疑的な見方が出ていることに関し、米朝両国の関係改善に向けた取り組みを阻害していると批判し、トランプ大統領は懐疑論に耳を貸すべきではないとけん制した。写真は金正恩朝鮮労働党委員長。平壌で8日に撮影。KCNA提供(2019年 ロイター)

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は24日、米国内で野党民主党などから北朝鮮の非核化に懐疑的な見方が出ていることに関し、米朝両国の関係改善に向けた取り組みを阻害していると批判し、トランプ大統領は懐疑論に耳を貸すべきではないとけん制した。

トランプ大統領は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と27─28日にベトナムの首都ハノイで首脳会談に臨む。

米民主党や米情報機関の当局者などはこれまで、北朝鮮と合意を結んでも核開発停止への効果はほとんど期待できないとして、合意を思いとどまるようトランプ氏に訴えてきた。

KCNAは懐疑論は首脳会談を頓挫させる狙いがあり、民主党と米情報当局者らは首脳会談に向けた好ましいムードを台無しにしていると批判。トランプ氏が米国内の懐疑論に耳を貸せば、「夢が破れ」、北朝鮮と関係改善を図る「貴重な歴史的機会を逃す」ことになるとした。

民主党などの懐疑論は「根拠のない報道や偽情報」で裏付けられていると主張。北朝鮮による完全な核放棄は期待できないとの見方を示している米情報機関についても、真実を曲げているとした。

トランプ大統領は最近、北朝鮮が非核化に向け「有意な」動きを示せば、同国に対する制裁措置を緩和する可能性を示唆している。

トランプ氏は24日、2回目の首脳会談でさらなる進展が期待できるとの見方を示すとともに、非核化は北朝鮮の経済発展につながるとあらためて強調した。

自身の対北朝鮮政策への批判については「何年経っても何も成果を出せなかった人々が私に、北朝鮮とどのように交渉すべきか指示してくるのはおかしな話だ」とツイートした。

ポンペオ米国務長官は同日、FOXニュースに出演し、北朝鮮は非核化に向けた「具体的」措置をまだ講じていないと指摘。今回の首脳会談後に3度目の会談を行う必要があるかもしれないと述べた。

KCNAは今週の首脳会談で成果が出ない場合は「米国人をパニックに陥れた安全保障上の脅威が消えることはない」と警告した。

[ハノイ 24日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20241224issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年12月24日号(12月17日発売)は「アサド政権崩壊」特集。アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ難民キャンプ、イスラエルの空爆で8人死亡=医療

ワールド

ロシア西部クルスク州にウクライナのミサイル、6人死

ワールド

米、中国半導体設計会社をブラックリストに ファーウ

ビジネス

ユーロ圏消費者信頼感指数、12月はマイナス14.5
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:アサド政権崩壊
特集:アサド政権崩壊
2024年12月24日号(12/17発売)

アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 4
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達し…
  • 5
    【クイズ】世界で1番「汚い観光地」はどこ?
  • 6
    国民を本当に救えるのは「補助金」でも「減税」でも…
  • 7
    クッキーモンスター、アウディで高速道路を疾走...ス…
  • 8
    「え、なぜ?」南米から謎の大量注文...トレハロース…
  • 9
    大量の子ガメが車に轢かれ、人間も不眠症や鬱病に...…
  • 10
    「中国を止めろ!」沖縄上空で米軍<核>爆撃機と航…
  • 1
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 2
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いするかで「健康改善できる可能性」の研究
  • 3
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達した...ここまで来るのに40年以上の歳月を要した
  • 4
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 5
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空…
  • 6
    電池交換も充電も不要に? ダイヤモンドが拓く「数千…
  • 7
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 8
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 9
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 10
    【クイズ】アメリカにとって最大の貿易相手はどこの…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 7
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 8
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 9
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
  • 10
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中