マレーシア国王、ロシア美女へ愛を捧げ電撃退位
入り乱れる真偽不明のネット情報
ムハマド5世の国王任期途中の退位という異例の事態を受けて、マレーシア国内では賛否両論が渦巻いているが、ムハマド5世と元ミス・ロシアのオクサーナさんの結婚に関してこれまでところ公式の発表はない。
1月4日に会見したマハティール首相もその辺の事情を理解した上で「何も聞いていないのだから、何も話しはしない」と国王退位には直接触れず、「(結婚に関しては)公式には確認していない」との立場を貫いた。
インターネット上ではオクサーナさんとみられる女性の下着姿やイスラム教徒の女性が頭部を覆うヒジャブを着用した写真などがアップされているが、真偽は判然としていない。
またムハマド5世に関しても「かつて、タイ南部パッタニー県のタイ人女性と結婚して、その後ほどなくして離婚した」などの未確認情報も流れている。
ムハマド5世は、今回の異例ともいえる在任中の退位について王室当局に書簡で伝え、「マレーシアの統治に関して協力をしてくれたマハティール首相らに対する謝意」を表明しているという。
そのうえで国王としてまたマレーシア国軍の最高司令官として職務をまっとうすることができたとして「今後もマレーシアの統一維持や平和と調和が維持されることを望む」との気持ちを表したという。
マレーシアでは国王が年齢差のある外国人女性と結婚することへの批判も少なくなく、こうした世論に配慮してムハマド5世自身が「国王の退位」を決断したものとみられている。退位したムハマド5世は今後、故郷のクランタン州に戻り、同州のスルタンとして州政府とともに職務を再開する予定といわれている。
[執筆者]
大塚智彦(ジャーナリスト)
PanAsiaNews所属 1957年東京生まれ。国学院大学文学部史学科卒、米ジョージワシントン大学大学院宗教学科中退。1984年毎日新聞社入社、長野支局、東京外信部防衛庁担当などを経てジャカルタ支局長。2000年産経新聞社入社、シンガポール支局長、社会部防衛省担当などを歴任。2014年からPan Asia News所属のフリーランス記者として東南アジアをフィールドに取材活動を続ける。著書に「アジアの中の自衛隊」(東洋経済新報社)、「民主国家への道、ジャカルタ報道2000日」(小学館)など
※1月15日 記事の内容、一部修正いたしました(ニューズウィーク日本版ウェブ編集部)
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