炎上はボヘミアン・ラプソディからダンボまで 韓国の果てしないアンチ旭日旗現象
ボヘミアン・ラプソディと旭日旗?
現在、日本でもヒット中の映画『ボヘミアン・ラプソディ』。日本では観客動員508万人だが、韓国ではなんと日本の倍近い940万人を動員する大ヒットとなっている。これだけ韓国でブームを巻き起こしている映画だが、5月15日に20世紀FOXが公開していたティーザー映像では、ロジャー・テイラー役のベン・ハーディーが旭日旗柄に漢字で「有名」と書かれたTシャツを着ている1シーンがあった。
このシーンについて韓国ソンシン女子大学教養学部ソ・ギョンドク教授がフェイスブックに「クイーンは、まさに世界的に多くのファンをもった最高のロックグループだ。 その映画のティーザー映像に旭日旗が登場するなんて本当に大変なことだ」と指摘するなど、韓国ネチズンらは速攻で抗議。驚くことに20世紀FOX側は翌日にはワイン色のTシャツにCGが施された映像に差し替えた。
また、『ボヘミアン・ラプソディ』でクイーンのメンバー、ブライアン・メイ役を務めた俳優グウィリム・リーが映画のプロモーションのために2018年11月に東京を訪れた際、自身のSNSに掲載した写真が、背景に旭日旗のように見えるポスターが映り込んでいたことも韓国ネチズンは問題視。結局グウィリム・リーはこの写真をSNSから削除した。
このほかにも、ドラマ『ウォーキング・デッド』で人気となった韓国俳優スティーヴン・ユァンは、自身が主演する映画の監督がSNSにアップした旭日旗のTシャツを着た幼少時代の写真に「いいね」をしたことが非難され、謝罪文を韓国語と英語で掲載。2016年には少女時代のメンバー(当時)、ティファニーが光復節(8月15日、日本による植民地支配からの解放を祝う祝日)に旭日旗を連想させるロゴの入った写真をSNSにアップしたことで、謝罪と当時出演していたTV番組を降板する事態となった。
このように、繰り返し起こる旭日旗問題。韓国では旭日旗はナチスドイツのハーケンクロイツとともに"戦犯旗"と呼ばれ、戦争犯罪を象徴するものとされているが、法律で規制があるかというとそういうものはない。実際のところ、旭日旗禁止法はことあるごとに発議されてきた。2013年には当時の与党セヌリ党から発議があったが通らず。また去年の10月、済州島で行われた国際觀艦式で日本の自衛艦が旭日旗を使用するかどうかで問題となった際にも立法化の提案があったが未だ実現されていない。つまり旭日旗問題は、あくまで感情論として韓国のネットを中心に問題が炎上し、それを追うようにメディアで報道され謝罪や修正が繰り替えされているようだ。
しかし民間レベルでは規制に向けた動きが出ていて、2018年12月12日、前述のソ・ギョンドク教授が「全世界学校旭日旗退治キャンペーン」を開始すると宣言した。カナダのある学校の壁に描かれた旭日旗を在カナダ韓国人たちの働きかけによって消した"反旭日旗運動"をきっかけとして、世界各地の旭日旗デザインをなくそうというキャンペーンだ。ソ教授は、旭日旗問題を解説した冊子や映像を作り、またニューヨーク・タイムズに意見広告を出すことなどを準備中だという。