「中国のカショギ」を救うため国際社会がすべきこと
その筆頭は現職の首相である李克強(リー・コーチアン)で、李はエイズ危機が広がった98~04年、党の幹部として河南省に赴任し省長も務めた。そして同じ頃、副省長としてエイズ危機対策を担当した陳全国(チェン・チェングオ)こそ、現在の新疆ウイグル自治区で党書記として弾圧政策を取り仕切っている人物だ。
そのため、今回の身柄拘束に至った背景には盧に対する怨恨の可能性もあるだろう。今の新疆ウイグル自治区での非人道的な取り締まりの強化を見れば、陳が盧の来訪を知らないわけがないと、盧の消息筋は言う。
ここで必要なのは外圧だ。これまでにも国際的な圧力が中国政府に批判的な記者や活動家の「失踪」を回避させた例がある。盧は殺害されたサウジアラビア人ジャーナリスト、ジャマル・カショギのようにアメリカの永住権を持っている。出身国の古い敵から報復される危険があるという点でも似ている。
世界、特にアメリカは、盧のために立ち上がるべきだ。決して、彼が警察国家の闇に吸い込まれるようなことがあってはならない。
<本誌2018年01月01&08日号掲載>
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