米国防総省が「昆虫兵器」の研究を募集、研究助成金100万ドル
U.S. Military Thinks Insects May Be Key to New AI
小さな脳で生きる小さな羽虫にはAI兵器開発のための秘密が隠されている、と米国防総省は考えている Egor Kamelev/Pexels/Defense Advanced Research Projects Agency
<昆虫の「極小脳」をAI兵器に応用したい米軍関係者だが、その帰結は>
米国防総省の研究部門であるDARPA(国防高等研究計画局)は、AI(人工知能)の次の技術革新のカギになるのは昆虫だとして研究している。
米軍はかなり以前から、ミサイルシステムや蚊の大群のように襲いかかるドローンなど新たなAIの応用実験をしてきたが、最近は自然の複雑を理解して戦略に役立てることに力を注いでいる。一方、DARPAは1月4日に告示した研究テーマ募集のなかで、「空を飛ぶごく小さな虫の驚くべき計算能力など、新たなコンピューターの枠組みと戦略を引き出す方法や革新的な基礎研究コンセプトを募集する」と述べた。
昆虫の「極小脳」に学べ
「小さな昆虫たちは、進化の過程で徹底的な小型化とエネルギーの効率化を進めてきた。なかには数百のニューロンしか持たないのに基本的な機能を備えている昆虫もいる」と、その概要には書かれている。
DARPAは1月8日のツイートで、「小さな昆虫の高度に統合された感覚系と神経系の理解が、より小型で軽量かつ電力効率の良いAIシステムの開発にどう役立てられるか」を見極める研究を「マイクロブレイン(極小脳)」プロジェクトと呼んでいる。
このプロジェクトは、2月4日まで応募を受け付けている。昆虫の脳とその意思決定機能をマップ化する能力があると認められて採用された者には、100万ドルが提供される。DARPAの「人工知能探索(AIE)」プログラムの一環だ。DARPAの広報担当エリック・バターボーが「エアフォース・マガジン」に語ったところによれば、AIEプログラムは「与えられた18カ月以内に、研究者らが新たなAIコンセプトの実現を目指す、リスクも高いが報酬も大きい一連のプロジェクトで構成されている」という。