フランスの脱税対策、納税者のSNSで生活ぶりをチェックへ
フランス24によると、税逃れや脱税の対策にSNSを活用する方法は、英国がすでに導入して成功を収めている。英国歳入関税庁は2008年、「コネクト」と呼ばれるコンピューター・システムを導入した。このシステムにより英国の税務当局は、膨大な量の個人情報や商業的なデータを収集・分析・保存できるようになったという。
こうしたデータを使い、納税者が申告した収入額と、歳入関税庁が持っているデータの差異をチェックして、脱税を見つけている。このようにして徴収できた税収は、コネクト導入以来のべ30億ポンド(約4400億円)に達しているという。
英国歳入関税庁ではさらに、フェイスブック、ツイッター、インスタグラム、リンクトインといったSNSからも情報の提供を受けている。また、納税者が所有する物件に高価な改築などが行われていないかなどを調べるために、グーグル・アースの衛星画像も分析に活用しているという。
ただし、この政策には弱点もある。フランス24によると、あくまでもSNSで「公開されているデータ」が対象であるため、プライベート設定で鍵をかけたり閲覧できる人を制限した場合、税務当局は情報を得られなくなってしまう。フランス24はまた、納税者の生活がどれだけ正確にSNSに反映されるのか......という点についても、疑問を投げかけている。