自殺者を追い詰める「心の因子」を、AIアルゴリズムが洗い出す
Preventing Suicide
これまでもフェイスブックは、プライバシー関連法が厳しいEU以外の地域では、AIを使って問題のあるコンテンツを抽出する実験を行ってきた。そのノウハウを自殺予防にも生かそうというわけだ。
実際にどの程度効果があるかはまだ未知数だが、世界で22億人を超える利用者を抱える同社がこうした取り組みを行う意義は大きい。AIはあくまで身元も病歴も分からない膨大な利用者の中から危険性が高い恐れのある人を洗い出すフィルター的な役割を担い、そこから専門家が対応の必要性や緊急度を判断するという形は、現時点では妥当と言えるだろう。
いずれはこうした取り組みで蓄積したデータやノウハウをも吸収し、AIが自殺予測のプロになる日も遠くないかもしれない。
<本誌2018年11月20日号掲載>
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