最新記事

中台関係

中国軍は台湾を取り戻して祖国統一を成し遂げる

Chinese General Hopes Military Will Take Back Taiwan

2018年11月22日(木)16時26分
トム・オコナー

台湾の監督が涙の訴え

中国は中小の島々すべてを含め、南シナ海のほぼ全域の領有権を主張。マレーシア、フィリピン、台湾、ベトナムも領有権を主張しており、島嶼部に小規模の軍事施設を建設しているが、中国はそれをはるかに上回るペースで軍事拠点化を進め、通信センターと思しき施設を整備し、島に建設した滑走路で重爆撃機の着陸訓練まで行っている。アメリカはこの海域の制海権を握ろうとする中国に怒りを隠さない。

戦略国際研究センターのアジア海事透明性イニシアチブは20日、中国が新たに建設した施設の衛星画像を公開した。情報収集を目的とした施設とみられ、軍事拠点化が着々と進んでいることを物語る。

中台問題はアジアの映画界にも波紋を投げかけた。17日に台北で行われた中国語映画の祭典・金馬奨の授賞式で、ドキュメンタリー賞を受賞した台湾の傳楡(フー・ユー)監督が「台湾が真に独立した国家として扱われる」ことを願っていると涙ながらに訴えたのだ。授賞式の模様を放送した中国の国営テレビは急遽、その場面をカット。中国の俳優、涂們(Tu Men)と、最近脱税事件で騒がれた女優の范氷氷(ファン・ビンビン)は、すぐさま「(中台)両岸は1つの家族」などと中国政府の公式見解に添った発言をした。

一方、米中間では引き続き貿易戦争が続いており、トランプはこれまでに2500億ドル相当の中国製品に制裁関税を課し、さらに2600億ドル相当の製品に関税を発動すると脅している。中国はこれに報復関税で応じているが、交渉再開で危機は解決されるとの観測もある。

トランプと習は今月末、20カ国・地域(G20)首脳会議が開催されるアルゼンチンのブエノスアイレスで会談を行う予定で、トランプはこの場で貿易戦争を休戦に持ち込む考えらしい。

20250225issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中