最新記事

米中関係

中国はアメリカ中間選挙の結果をどう見ているか──「環球時報」社説

2018年11月10日(土)20時00分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

3.米中関係がおかしくなったのは、中国が強大化するのをアメリカが怖れているからだ。高関税などによる米中貿易戦は、あくまでもトランプ流の個人的なやり方なので、政治情勢全体が何か変わったからと言って、(大統領が代わらない限り)それによって米中関係が代わるという可能性はあまりない。これは北京とワシントンが共に変化を推進していかなければならない方向だ。

4.もしトランプ外交に関して変化があるとすれば、それはヨーロッパ関係に対してだろう。トランプは大西洋両岸の信頼関係を損ねてしまった。米下院におけるトランプの敗北を最も歓迎しているのはヨーロッパ諸国だろう。

5.日本と韓国とオーストラリアは、内心ほくそ笑んでいるかもしれない。なぜなら中間選挙で打撃を受けたトランプが、同盟国に対しては、ちょっとだけ優しくなるかもしれないと期待している可能性があるからだ。

6.中国は、アメリカ政界の変動に関しては如何なる幻想も抱くべきではない。我々(中国)の利益は、アメリカ選挙民が何を選択するかによって左右されるものではない。中国は自分のやるべきことをきちんとやるのみで、このこと以上に堅固で、ビクともしないものはない。

「環球網友」という名のネットユーザーの反応

「環球網」には「環球網友」という名のネットユーザーがいる。さすがに「官」の側としては書けない本音を、環球網がこの「友だち」に言わせる仕組みだ。

●環球網友S1F5Co広東省のコメント

その通りだ!(社説の)識者の視点に非常に賛成する。中国が自分のやるべきことをきちんとやりさえすれば、それ以上に堅固なものはない。自分の希望を他人に預けるようなことは、中国は絶対にしない。他人がくれたものでもなければ借りたものでもなく、自分自身のポケットの中に自分が稼いだ金がありさえすれば、誰からも虐められることはない。

●環球網友NzzR0Zのコメント

国産の自主ブランド品を購入することは、わが国が「強国の夢」を実現するための最も有効な早道だ!われわれ中国人がみんな国産の自主ブランド製品を買えば、われらが工業企業の収入は増えて、最も優れた人材を呼び込むことができるようになり、最も優れた機械を購入することができるようになり、研究開発にも専念することができるようになる。そうすれば、われわれは世界一流品を創り出すことができて、工業強国になることができる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 7
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 8
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 9
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中