「Amazon Go」対抗、キャッシャーフリーのウォルマートの実験店舗はここまでやる
ウォルマートが発表した新コンセプト店「サムズクラブナウ」
<アメリカでは、スマホアプリで自動決済できるキャッシャーフリー店舗「Amazon Go」が話題だが、世界最大のスーパーマーケットチェーンのウォルマートが、キャッシャーフリー店舗をさらに進化させた新コンセプトの店舗をオープンさせる>
ウォルマートは10月29日、テキサス州ダラス地区に新コンセプトの「サムズクラブ・ナウ(Sam's Club Now)」を11月にオープンすることを発表した。サムズクラブは、ウォルマートが設立した会員制のスーパーマーケットだが、以前から展開していた「スキャン&ゴー(Scan & Go)」などのテクノロジーをさらに進化させた小型会員制倉庫型店舗「サムズクラブ・ナウ」を試験的にオープンする。
サムズクラブで展開してきたキャッシャーフリーシステム
サムズクラブでは2016年10月から全店で「スキャン&ゴー」を展開してきた。このスキャン&ゴーは、スマートフォンにダウンロードしたアプリでお客自身が商品バーコードをスキャンしながら買い物を行うシステムだ。
使い方はサムズクラブのスキャン&ゴーのアプリをダウンロードし、会員番号を撮影などで入力し、クレジットカード(もしくはデビッドカード)情報も登録しておく。買い物するときは、アプリを開いて購入する商品のバーコードをスキャンしていくだけだ。
スキャンした商品は商品画像と商品名、数量がリストに入る。商品バーコードのスキャニングによる認識はスムーズでスピードも速い。仮にバーコードを読み間違いしてもリストにある商品を左へスライドすれば、赤色の「削除(Remove)」ボタンが現れるので、それをタップするだけで簡単に削除できる。同じ商品を複数購入する場合では、リストに入った商品をタップすると数量を入力できる。
また買い物途中で消費税込みの合計金額の確認も可能だ。予算内で買い物する場合にも便利になっている。買い物が終われば、アプリ上で「チェックアウト(決済)」を行う。レジを素通りできるため、売り場でも商品を買い物袋に入れることが可能だ。あつあつのロテッサリーチキンから、冷たいアイスクリームもその場で保冷バッグに入れることができるのだ。外へ出る前のレシートチェックでは、出口にいるチェッカー係りにアプリ上にあるQRコードをスキャンしてもらうだけとなる。
チェッカーがもつ端末スクリーンに購入した商品が映し出されるため、チェッカーがカート内の商品を1品毎確認する。なおレシートはeレシートでアプリ上に保管されることになる。eレシートが履歴として残るため、返品も容易だ。スキャン&ゴーは使いやすさから絶賛されており、アップルのApp Store(アップストア)では2.4万人が5ツ星レビューで4.9としており、店アプリではパーフェクトな評価を得ている。
同じくキャッシャーフリーとなる「アマゾンゴー(Amazon Go)」では、入店時にアプリにあるQRコードをゲートでスキャンするだけで、あとは商品を持って出ていくだけだ。アマゾンゴーの課題は店からでた直後に買い物金額を確認できない点だ。ゲートから出てレシートが届くまで5分〜10分間、保留状態となる。金額がわからないのでややすっきりしない状態となる。筆者の知人が買い物したとき保留状態が1時間もあった。また、買い物中も合計金額の確認はできない。アップストアのアマゾンゴー・アプリのレビューでは4.6の評価だ。
(参考記事)レジなしコンビニ「Amazon Go」レポート あまりにスムーズで戸惑う人続出
いよいよ、「サムズクラブ・ナウ」
一方、サムズクラブは商品のバーコードをスキャンする必要があるが、買い物途中でも消費税を含んだ合計金額を確認できて、チェックアウト後の保留状態もない。そしていよいよ、ウォルマートはアマゾンゴーに匹敵するキャッシャーフリーストア「サムズクラブ・ナウ」をオープンする。