「トランプ信者」は共和党支持者になるか 中間選挙で結束試されるMAGA運動とは?
トランプ大統領のポピュリスト的な支持基盤は、もっぱら大統領が高い人気を得ている米国南西部においてしっかりと確立されている。
MAGA支持者はこうした地域で大統領の推薦候補を応援するために大挙して現れ、世論調査での評価を押し上げ、選挙運動でボランティアに精を出している。一部では、州の党機構を牛耳り、トランプ氏の好みに合う候補のためにインフラと資金を管理している例もある。
だが、大統領の支持基盤を離れると、MAGA支持者の影響力は限定的だ。特にペンシルバニア州やオハイオ州といった「ラストベルト」州、そして中西部の北方ではそれが顕著だ。つまり、これらの地域では、特定の下院選挙区では忠実なトランプ派が局面を動かすこともできるが、州知事や連邦上院といった州レベルでの戦いでは、大統領の推薦候補を後押しする力はそれほどでもない。
熱心なMAGA支持者には中枢組織もなく、共和党内の組織構造にもほとんどつながりがないため、彼らはもっぱら、フェイスブックやレディットといったソーシャルメディアやインターネットのフォーラムで支持をあおり立てる。彼らが地元の選挙運動を支援しようとする意欲は、共和党に対する忠誠心というよりも、むしろトランプ氏を助けたいという動機から来ている場合が多いようだ。
「2018年の選挙では、トランプ氏にどれだけ人気があるか、彼の政策がどれだけ評価されているか、2020年に向けて組織がうまく働いているのか、それとももっと頑張って色々改善すべきかが問われるだろう」とバージニア州バージニアビーチのMAGA活動家スコット・プレスラーさんは言う。
複数の世論調査を集約する超党派ウェブサイト「リアルクリアポリティクス」及び「538.com」が集積したデータによれば、2016年の大統領選でトランプ氏が10ポイント以上の差をつけて勝利した州では、大統領が推薦する共和党の上院または州知事候補18人のうち、80%以上が世論調査で優位に立っている。
だが、トランプ氏が10ポイント未満の差で勝利した州では、彼が推薦する上院または州知事候補16人のうち、世論調査で優位に立っているのはわずか4人、つまり4分の1にすぎない。