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「スマホの電磁波で癌になる」は本当か

DO CELL PHONESCAUSE CANCER?

2018年10月30日(火)18時00分
ロニー・コーエン(ジャーナリスト)

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現行のアメリカの携帯電話の安全規制は「携帯電話の電磁波の人体への害は細胞組織を熱してしまうことによってのみ起きる」という、今となってはおそらく誤った前提に基づいている。だが米食品医薬品局(FDA)に規制強化の計画はない。NTPの実験結果が公表されたあと、FDAは「現行の安全基準で一般の人々の健康を守るためには十分だと確信している」との声明を出した。

一方で、アメリカより厳しい規制を設けた国は多い。11年のWHOの勧奨を受けてフランスやドイツ、スイス、インド、イスラエルなど少なくとも8カ国は電磁波を浴びる量を減らすためのガイドラインを発表した。ベルギーとフランス、イスラエルは子供向けの携帯電話の販売を禁止しているほか、子供をターゲットにした携帯電話の宣伝を禁止している国もある。

アメリカ小児科学会(AAP)は13年、FCCやFDAに対して携帯電話や無線機器に関する基準を見直すように求めた。「子供は小さな大人ではなく、体の大きさのわりに携帯電話の電磁波を含むあらゆる環境からの影響を非常に強く受ける」と、当時のAAP会長トーマス・マキナニーは言った。またAAPは、子供やティーンエージャーの親に対し、携帯電話の使用を制限させるよう呼び掛けている。「携帯電話メーカーは、ユーザーが浴びている電磁波の量が安全なレベルかどうかを保証することはできない」からだ。

規制が見直されるまでに何かできることはないかと、あえてアメリカ癌協会のブローリーの携帯電話に電話して尋ねると、彼はこう答えた。「ヘッドセットやイヤホンを付ければいい」。もっとも本人は、普通に携帯電話を耳に押し付けてしゃべっていたが。

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<本誌2018年10月30日号掲載>

[2018年10月30日号掲載]

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