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ドイツ独メルケル首相、CDU党首再選目指さず 首相も現任期限り
10月29日、ドイツのキリスト教民主同盟(CDU)のある関係者によると、メルケル首相は党幹部に12月の党大会で党首としての再選を目指さない意向を示した。23日撮影(2018年 ロイター/Ralph Orlowski)
ドイツのメルケル首相(64)は29日、12月に開催されるキリスト教民主同盟(CDU)の党大会で党首としての再選を目指さず、首相も4期目の現任期限りとする意向を示した。メルケル首相は2000年からCDU党首を、2005年から首相を務めている。
首相の決断の背景には、今月14日のバイエルン州、28日のヘッセン州の州議会選挙で与党が議席を大きく減らしたことがある。
メルケル首相は会見で、ヘッセン州議会選挙でのCDUの結果は失望させられるものだったと総括。バイエルン州、ヘッセン州両州の選挙は連立政権にとって転換点となったと述べ、昨年の連邦選挙以降に起こったことに対し責任をとると表明した。
メルケル首相は「まず12月にハンブルクで開催されるCDU党大会で党首に立候補するつもりはない」とし、「2番目に、首相としても今の4年の任期が最後である。2021年の連邦選挙で首相候補としても連邦議会の議員にも立候補しない」と述べた。
2005年の首相就任以来、メルケル氏はユーロ圏危機や難民・移民問題など、欧州のさまざまな難局への対応で主導的な役割を果たしてきた。
ただ、コンサルティング会社テネオのカルステン・ニッケル氏は、メルケル氏は2015年の難民受け入れ決定で判断を誤って以来、政治力を徐々に失ってきたと指摘。今回のメルケル氏の発表について「指導者不在の現状が続くだけ」と語った。
国内では、メルケル氏に対し、大連立を組むドイツ社会民主党(SPD)から政策の成果を求める圧力が強まっている。
メルケル氏の影響力は、CDU党首を退くことで一段と低下する。メルケル氏は以前、党首と首相は同一人物が務めるべきとの考えを示している。
メルケル氏の党首退任後、CDUの新党首は2021年の国政選挙を前に党の立て直しを図ることになる。
CDU関係筋によると、アンネグレート・クランプカレンバウアー幹事長、連邦議会の党代表を務めたフリードリヒ・メルツ氏、スパーン保健相が次期党首に名乗りを上げている。
ドイツ最大のノルトライン・ウェストファーレン州で州首相を務めるCDUのアルミン・ラシェット氏も有力候補で、次期党首を務める可能性を排除していない。
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