他人事じゃない? 中国のイルカやシャチのショーに欧米から批判、マリンパーク急増で
使い捨てか
ワシントンを拠点とする動物保護団体アニマル・ウェルフェア・インスティテュートの海洋生物学者ナオミ・ローズ氏は、こうした捕獲は非人道的で、持続可能ではないと語る。
また、多大な利益への期待が、犯罪的な要素を引きつけていると同氏は言う。「1頭あたり数億円という巨額の金が絡むとき、そこには犯罪と危険がある」
一度捕獲された動物は、死亡率が極めて高くなる、と活動家は指摘する。このため、運営会社は継続的に海洋生物を再購入しなくてはならなくなる。
「捕獲された状態では苦しいだけだ。特にシャチほど、タンクに入れられるのに向いていない動物はない。野生が一番なのだ」と、香港イルカ保育学会のTaison Chang会長は言う。
マリンパークが急増する中で、不潔な飼育環境や、不十分な世話に対する懸念も高まっている。
例えば、今年6月には、大連にあるマリンパークの訓練担当者が、シロイルカに真っ赤な口紅を塗っている様子を写したビデオがネット上で確認された。地元メディアによると、施設側は後で謝罪し、動物保護方針の強化を約束したという。
中国最大手のマリンパークがシャチのショーを一旦始めれば、中国全土にあるより小規模で経験の浅い施設もその真似をするのではないかと、活動家は懸念している。
長隆海洋王国で妻や子とシロイルカのショーを見ていたペンさんは、シロイルカ生息数減少への危惧があるとは知らず、ショーを楽しんだと語った。「残酷ではない。ちゃんとエサをやっているし、叩いたりはしていない」
(翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)
[香港 20日 ロイター]
