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大麻合法化

モーリー・ロバートソン解説:大麻について話をしよう

LET’S TALK ABOUT CANNABIS

2018年9月11日(火)16時00分
モーリー・ロバートソン

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日本で大麻合法化の議論はほとんどタブー視されている OpenRangeStock/iStockphoto

でも、そのタブーを突き崩せば、それがシンボルになって日本にある「議論しちゃいけないタブー」を話せるようになると思います。天皇制や安保体制、在日外国人差別に同和問題、ヤクザや芸能界......。みんな口を閉ざしていることばかりですよ。そうしたタブーの中で、マリフアナは切り込みやすいのではないかと思います。なぜなら、既得権益者が少ないからです。

マリフアナの合法化問題をニューズウィークが大々的に取り上げたとなれば、リベラル系メディアがアメリカで取材してくれるかもしれない。社会のムードが「議論ならOK」という方向に流れれば、大手の報道番組が日本人の癌患者を追跡取材して、実際にカナダでマリフアナの治療を受けたら痛みが和らいだという「絵」をつくるんじゃないでしょうか。その反響が出ると、厚労省は海外での治療目的の使用を特例で認める、だけど法はいじりたくない。数年たって医療大麻が既成事実化したらやっと法改正。でも微調整が関の山、というところでしょうか。

だから、私は直近では日本におけるマリフアナ解禁にあまり現実性を見いだしてはいない。けれど、その過程でタブーとなっていた議論が少しやりやすくなるという事例が生まれれば、日本社会は面白くなりますよ!

<本誌2018年8月14日&21日号掲載>

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