EVをより長く、より安く 開発に動くサプライヤー、投資規模は日本の国家予算の4割に
航続距離延長につながる軽量化
車両の軽量化はEVの航続距離延長につながる。
すでに米EV大手テスラ向けの供給を行っているノルスク・ハイドロで、北米における先端製品開発を指揮しているマイク・トジア氏によれば、同社は押出成型によるボディフレーム部品と精密配管という2つの既存事業を複合することにより、新たなバッテリーパック冷却手法を開発しているという。
これによってノルスク・ハイドロは、自動車メーカーに対し、さらなる軽量化の方法を提示できるようになり、それによってアルミニウムをもっと魅力的な選択肢にすることができるはずだ。
トジア氏は、「自動車メーカーとしては鉄鋼の方が使い慣れているから、どうしても既存素材と戦うことになる」と言う。「だが、自動車メーカーはより多くの選択肢を積極的に探している。大量生産においてコスト競争力を維持しなければならないからだ」
EVの航続距離延長の探求は、タイヤにまで及んでいる。
トリンセオではドイツ工場への投資を行い、合成ゴムの生産量を33%増大させる。予想される電気自動車生産の成長に対応し、サプライヤーによる高効率製品の開発を支援するためだ。トリンセオのハヤチ・ヤーカダス上級副社長によれば、合成ゴムで作られるタイヤは従来のタイヤに比べてすでに12%の効率向上を実現しているという。
「EVに関して求められる開発サイクルは、従来の自動車産業で我々が経験してきたよりも、かなり短期・迅速なものになっている」とヤーカダス氏は話した。
(翻訳:エァクレーレン)
[セントポール(米ミネソタ州) 1日 ロイター]