最新記事

防災

横浜周辺「水没リスク」がある鉄道は? ハザードマップに見る津波襲来ランキング

2018年7月20日(金)16時21分
内田 宗治(フリーライター)※東洋経済オンラインより転載

newsweek20180720153508.jpg

駅での対応はどうなるか。横浜駅の場合、改札内外の人々へ海抜5m以上の高台(駅北方約700mの沢渡中央公園や三ツ沢公園)または鉄筋コンクリート造り等で地震の揺れによる被害のない高い建物に避難の案内を行うという。

2020年に開業予定の「(仮称)横浜駅西口開発ビル」では、大規模災害時に、来街者が滞留、避難できるスペースや、帰宅困難者のためのスペースが設けられることになっている。

大規模な訓練が必要だ

多数の線路が並ぶ生麦駅付近。多くの路線が並行する区間では、線路に降りた後の安全確認に時間がかかることも考えられる(筆者撮影)

このように対策はなされているが、大震災では想定外のことが起きないとは限らない。

鶴見―横浜間では、JR、京急合わせて8〜10本の線路が並んでいる。線路に降りても安全の確認にどのくらい時間がかかるのか。高齢者、妊婦、車いすの乗客のほか、ヒールの高い靴の女性など、降車に必要な時間、一部線路を歩いての避難の所要時間など、予想外のことが起きかねない事項は数多い。昼と夜との相異、外国人への案内などの問題もある。

鉄道会社だけの問題ではなく、国や自治体とも連携して、昼と夜、満員に近い乗客(訓練参加者)を乗せて大地震発生を想定した停止、降車、避難の訓練を行う必要があるのではないだろうか。半日間ほど横浜付近の鉄道を不通状態にしても、行う価値はあり、社会的コンセンサスも得られるのではないだろうか。

大津波を伴う巨大地震ではなくとも、大地震は高い確率で起きる。そのとき、「津波注意報」「大津波警報」が出されることは多分に考えられる。車内や駅にいてそうした警報に接したとき、事前の知識があれば、精神的パニックとなるのを防ぐ一助になるはずだ。日頃から地震に関しては情報収集をしておきたい。

20250304issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年3月4日号(2月26日発売)は「破壊王マスク」特集。「政府効率化省」トップとして米政府機関をぶっ壊すイーロン・マスクは救世主か、破壊神か

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インド10─12月GDP、前年比+6.2%に加速 

ビジネス

中国2月製造業PMIは50.1、3カ月ぶり高水準 

ワールド

韓国輸出、2月は1%増に回復も予想下回る トランプ

ワールド

米政権、イスラエル向け30億ドル武器売却を議会に通
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:破壊王マスク
特集:破壊王マスク
2025年3月 4日号(2/26発売)

「政府効率化省」トップとして米政府機関に大ナタ。イーロン・マスクは救世主か、破壊神か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天才技術者たちの身元を暴露する「Doxxing」が始まった
  • 3
    イーロン・マスクのDOGEからグーグルやアマゾン出身のテック人材が流出、連名で抗議の辞職
  • 4
    「絶対に太る!」7つの食事習慣、 なぜダイエットに…
  • 5
    米ロ連携の「ゼレンスキーおろし」をウクライナ議会…
  • 6
    ボブ・ディランは不潔で嫌な奴、シャラメの演技は笑…
  • 7
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 8
    日本の大学「中国人急増」の、日本人が知らない深刻…
  • 9
    【クイズ】アメリカで2番目に「人口が多い」都市はど…
  • 10
    東京の男子高校生と地方の女子の間のとてつもない教…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チームが発表【最新研究】
  • 3
    障がいで歩けない子犬が、補助具で「初めて歩く」映像...嬉しそうな姿に感動する人が続出
  • 4
    富裕層を知り尽くした辞めゴールドマンが「避けたほ…
  • 5
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天…
  • 6
    イーロン・マスクのDOGEからグーグルやアマゾン出身…
  • 7
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 8
    「絶対に太る!」7つの食事習慣、 なぜダイエットに…
  • 9
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 10
    東京の男子高校生と地方の女子の間のとてつもない教…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 5
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 9
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 10
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中