中国、エタノールガソリン普及に暗雲 対米摩擦で原料トウモロコシの供給懸念
底をつく備蓄
世界最大の人口を持つ中国は、エタノールを生産するのに十分なトウモロコシを確保しようとすれば、食料供給やトウモロコシ価格に混乱が起きるのではないかとの不安が広がっている。
全国的なエタノール混合ガソリン普及には、中国の年間需要のほぼ4分の1に相当する4500万トン程度のトウモロコシが必要になる。
ところが近年、トウモロコシの国内供給は縮小しており、政府が対米貿易摩擦問題を抱える中で、追加的な需要が生まれた場合のクッションがほとんど存在しなくなっている。
中国は既に全ての輸入エタノールに30%の関税を適用しているため、元来輸入量は微々たるものでしかない。4月には米国からのエタノール輸入に15%の関税を追加し、6日にはさらに25%を上乗せる予定だ。
一方ロイターの計算に基づくと、中国は2億トンのトウモロコシの国家備蓄を何年にもわたって売却してきたことから、来年末には底をつく見通し。政府は18/19年の国内のトウモロコシの供給不足量は、17/18年の640万トンから2000万トンに拡大するとみている。収穫量が2.5%減る半面、需要が伸びるからだ。
Shengda Futuresのアナリスト、Meng Jinhui氏は「国家備蓄がいったん枯渇すれば、自動車燃料用エタノールを生産するための余分なトウモロコシをどうやって入手できるのだろうか」と疑問を投げかけた。
(Hallie Gu、Michael Hirtzer記者)