「G7にアメリカはいらない」と言うマクロンはトランプに勝てるか?
アメリカの製造業の中には材料費の高騰を避けるために外国に製造拠点を移すところが出てくるだろうと、リムは指摘した。ハーレーダビッドソンは、EUの報復関税によるコスト増が年間9000万〜1億ドルにも達するとして、EU向けのオートバイの製造を外国に移すと発表した。アメリカ最大級の輸出業者であるボーイングも、同じような動きに出る可能性がある、とリムは言う。
こうしたトランプの保護主義政策にとりわけ厳しい姿勢で臨んでいるのがフランスだ。6月にカナダで開かれたG7の直前、エマニュエル・マクロン大統領はG7の構成国数が「6になっても構わない」と述べていた。
「G7のうちアメリカを抜いた6カ国を合わせれば、アメリカ市場より大きな市場になる」とマクロンは述べた。「われわれが対処法を間違えさえしなければ、覇権を握ることなどできない。我々もそんなものはいらない」
(翻訳:村井裕美)