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中国ニュージーランド、南太平洋での中国の影響力指摘「国家安全保障の脅威に」
7月6日、ニュージーランド(NZ)政府が公表した防衛に関する報告書で、南太平洋地域における中国の影響力拡大が地域の安定を脅かす可能性があると警告した。写真は米豪と訓練するニュージーランド軍のMRH-90ヘリコプター。昨年7月にオーストラリア北東部で撮影(2018年 ロイター/Jason Reed)
ニュージーランド(NZ)政府は6日に公表した防衛に関する報告書で、南太平洋地域における中国の影響力拡大が地域の安定を脅かす可能性があると警告した。NZと中国の二国間関係の緊張が高まる可能性がある。
NZとオーストラリアはこれまで南太平洋の主要2カ国だったが、報告書によると、NZは現在、小規模の島国への影響力で中国を下回っているという。
報告書は「NZの国家安全保障は引き続き太平洋の安定に直接関係している。太平洋の島国が発展する中、NZとオーストラリアのような従来のパートナー国は影響力の維持が課題になる」と指摘。中国について、人権や情報公開でNZと観点が異なる、とした。
NZのマーク国防相はウェリントンで記者団に対し、「今は混乱の時代だ。世界は変化しており、大国の競争が再びみられる」と述べた。
豪シンクタンク、ローウィー・インスティチュートのユアン・グラハム氏は、「NZが2016年に発表した文書は気候変動などの問題に関するもので、地域の競争はそれほど大きく扱われなかった。しかし現在ではこれが中心的な位置を占めている」と指摘。「主要な同盟国は歓迎するだろう」と語った。