最新記事

インド

【悲報】感電して牛が死に、飼い主が死に、助けようとした犬も死んだ

2018年7月6日(金)16時09分
デービッド・ブレナン

死んだ主人の飼い主にいつも付き添っていたが、名前はなかった UTHAPPANAICKANUR POLICE

<救おうとしたのに......一瞬で善良な命を3つも奪ったインドの悲劇>

インド南部のタミルナドゥ州で、切れた電線に触れて倒れた牛を救おうとした農民が、自分も感電した。

しかし、遺体は全部で3体。ピンチの飼い主を助けようとした犬もまた、死んでしまったのだ。タイムズ・オブ・インディア紙が伝えた。

地元でM・モックスと呼ばれていた65歳の男性は、7月10日の朝、牛に牧草地に連れて出た。だが、前の晩の暴風雨のせいで、電線が切れてぶら下がっていたことに気付かなかった。

牛は電線に触れてばったり倒れた。モックスは走り寄り、必死で牛を蘇生させようとしたが、自分も感電してしまった。

これを見て主人に駆け寄ったのが、6歳ぐらいの雑種犬。主人の上にかぶさった電線を引っ張って除けようとしたが、電線がむき出しの部分をくわえてしまった。

村人たちも涙

警察が村に急行し、送電をいったん止めてから、3つの遺体を回収した。事故のことを聞くと、村人たちも集まってきて死を悼んだという。地元の役人は、モクスの遺族に死んだモクスと牛の補償金を支払うと言った。

タイムズ・オブ・インディアによると犬は仕事に出かけるモックスといつも一緒だった。モックスと家族はこの犬をとてもかわいがっていたが、名前はなかったという。

インドの多数派ヒンズー教徒にとって、牛は神聖な動物。モックスのような農民にとっては貴重な収入源。命の危険は承知の上だったかもしれないが、愛犬まで命を落とすことになるとは夢にも思わなかったろう。

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

グリーンランドに「フリーダムシティ」構想、米ハイテ

ワールド

焦点:「化粧品と性玩具」の小包が連続爆発、欧州襲う

ワールド

米とウクライナ、鉱物資源アクセス巡り協議 打開困難

ビジネス

米国株式市場=反発、ダウ619ドル高 波乱続くとの
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 2
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 3
    凍える夜、ひとりで女性の家に現れた犬...見えた「助けを求める目」とその結末
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    米ステルス戦闘機とロシア軍用機2機が「超近接飛行」…
  • 7
    「やっぱり忘れてなかった」6カ月ぶりの再会に、犬が…
  • 8
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 9
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 10
    関税ショックは株だけじゃない、米国債の信用崩壊も…
  • 1
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 2
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    凍える夜、ひとりで女性の家に現れた犬...見えた「助…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 9
    「やっぱり忘れてなかった」6カ月ぶりの再会に、犬が…
  • 10
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 3
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中