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ハッブル宇宙望遠鏡の夢の後継機、開発が大幅に遅れて、コストも天文学的に

2018年7月9日(月)18時50分
鳥嶋真也

2021年3月に打ち上げへ

こうした経緯から、JWSTの開発と打ち上げ予定は年々遅れ、現時点では2021年3月30日を目指すという。

コストも増大し、現時点で96.6億ドルと見積もられている。物価が変わっているため単純比較は難しいが、これは当初の見積もりの4倍以上にもなる。こうしたことから、「自身が"天文学"的コストに」や「James "Wait" Space Telescope」などと揶揄されている。

当然、これまでも何度か、他の分野の科学者や政治家などから中止を求める声が上がっている。

しかしそのたびに、JWSTにかかわる科学者らは、「天文学の多くの分野にとって、JWSTによって得られる観測結果は絶対に必要」、また「JWSTなしでは、人類はいま以上の宇宙に関する知識は得られない」と主張し、その意義を訴えてきた。NASAも、「何十年にもわたって、世界中の何千もの天文学者が酔いしれる、世界最高の天文台」と謳っている。

スケジュールの遅延とコスト増は大きな問題ではあるものの、JWSTが計り知れないほどの成果をもたらすであろうこともまた事実であろう。

もちろん、今後さらに遅れる可能性もありうるが、無事に完成し、打ち上げられ、そして教科書が書き換わるほどの大きな成果をもたらしてくれることを願いたい。

nasa0709004.jpgJWSTの実物大模型と関係者たち。"テニスコート大"とたとえられるその大きさがよくわかる (C) NASA

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