自殺教唆ゲーム『ブルーホエール』プレイ後、子供2人が自殺 サウジアラビア
ゲーム開発者の目的は、多くの子供を集めて弱い者をあぶり出し抹殺することだった DusanManic/iStock.
<昨年、ロシアで130人以上の子供を自殺に追いやったとされる自殺ゲームで子供が相次いで犠牲になった。サウジアラビアはこれを受けて多くの人気ゲームを発禁に>
サウジアラビア政府は、人気ビデオゲームを禁止すると発表した。あるオンラインゲームが原因で、子供2人が相次いで自殺したからだ。
サウジアラビアの視聴覚メディア一般委員会は7月16日、規則や規制に違反しているとして、ビデオゲーム47タイトルを禁止すると発表した。アラブ首長国連邦(UAE)のガルフ・ニュース紙によると、この中には、『アサシン クリードII』や『デッドプール』、『バイオハザード』シリーズの第5作および第6作、『グランド・セフト・オートV』、『ディシディア ファイナルファンタジー』などの著名なゲームが数多く含まれている。
人気ビデオゲームの発禁を報じた地元英字紙Saudi Arabia bans video games after children's deaths https://t.co/j5VA61f3Iw
— Gulf News (@gulf_news) 2018年7月17日
AP通信によると、ロシア製のオンライゲーム『ブルーホエール(青い鯨)』に参加した10代の子供2人が自殺したことがきっかけだ。もっとも視聴覚メディア一般委員会は、今回禁止されたゲームと『ブルーホエール』の間にどのような関係があるのかは説明しなかった。『ブルーホエール』は参加者に対して自傷行為に始まるさまざまな課題を課し、最終的には自殺を指示することで問題になっている。
ロシアでは130人以上が自殺
サウジアラビアの地元メディアは7月に入り、13歳の少女の死を報じた。この少女は『ブルーホエール』に参加した後、自殺したという。6月には、同じゲームに参加した12歳の少年が、同様に命を絶っている。
地元英字紙サウジ・ガゼットは、『ブルーホエール』は発祥の地ロシアだけでも2013年以降、推定130人以上の参加者を死に追いやったと報じる。子供や10代の若者向けのこのゲームは、参加者に対し、50日間毎日異なる50の課題を達成するよう要求する。課題はすべて危険を伴うもので、自傷行為に始まってさらにリスクが高いものへとエスカレートしていく。そして最後の課題に到達し、ゲームを「クリア」しようとしたときに、ゲームは自殺せよと要求するのだ。
このゲームを開発したのは、ロシアで「自殺グループ」を運営するフィリップ・ブデイキンだ。ブデイキンは2017年7月、若者に対する自殺教唆の罪で有罪判決を受け、3年間の拘禁刑に服している。
ロシアでこの事件の捜査委員会に加わったアントン・ブレイド上級捜査官は、イギリスのメトロ紙に2017年5月に掲載された記事のなかで、「犯人グループの目的は、できるだけ多くの年少者を集め、その中でも最も心理操作の影響を受けやすい層をあぶり出すことだった」と述べている。「ブデイキンは、(自らが望む)結果を得るためにすべきことを、明確に自覚していた」