口は災いの元! ドゥテルテ大統領、キス強要で女性蔑視と非難浴びる
韓国在住のフィリピン同胞を招いた集会でドゥテルテ大統領は女性にキスを強要した Rappler / YouTube
<最近すっかり大人しくなったフィリピンのドゥテルテ大統領、と思いきや旅先でのセクハラが、自らの娘も巻き込んだ騒動に発展した──>
フィリピンのドゥテルテ大統領(73)が反大統領派や女性団体から批判の嵐にさらされている。韓国訪問中にフィリピン人女性に行ったキスが原因でまさに「口は災いの元」になってしまった。
6月12日のフィリピン独立記念日では各地で国旗を掲揚して独立を祝う式典が行われた。これまで独立記念式典に出席してこなかったドゥテルテ大統領は今年初めて、ルソン島カビテ州にあるアギナルド聖堂での国旗掲揚式典に出席した。そして「フィリピンは麻薬や汚職からも独立しなければならない」と演説した。
しかし同日、マニラ市内では女性団体などによるドゥテルテ大統領への抗議運動が行われた。参加した「私は女性運動(BAM)」などは「大統領は女性を軽々しくみており、蔑視している」と声を挙げて市内を行進した。
訪問先の韓国で一般女性にキス
今回の騒動の発端は、ドゥテルテ大統領が韓国訪問中の6月3日に起きた。この日大統領はソウル市内に出稼ぎフィリピン人労働者、家政婦、在韓フィリピン人などを集めた会合で演説。そこで壇上から「キスをしたら本を贈呈しよう。女性がいい」と言って、会場にいたフィリピン人女性2人を壇上に招いた。
1人目の女性は頬を差し出し、ドゥテルテ大統領はこの女性の頬にキスした。2人目の女性は最初男性の手を額に当てるフィリピン式の敬意を示す仕草をしたところ、大統領が自らの唇をさしてそこへのキスを要求した。
その際女性に対し「独身か、夫と別居していないのか、夫にこのキスは単なる冗談だと説明できるか」と問い、女性が「はい」と応えたので唇と唇のキスをして抱きしめた。
フィリピンの報道機関などによるとドゥテルテ大統領とキスしたこの女性はビーア・キムさんといい、韓国人の夫との間に子供が2人いるという。
この大統領とのキスには会場に詰めかけたフィリピン人の間から大きな歓声があがっていた。