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地球温暖化EU、2030年までに再生可能エネルギー32%に 温暖化対策で新ルール制定
6月20日、欧州連合(EU)は、2030年までに再生可能エネルギーの比率を32%に引き上げ、エネルギー全体の効率を32.5%改善するという目標を掲げた新ルールをまとめた。写真はヨーロッパ最大の火力発電所、ベウハトゥフ発電所の煙突からのびる煙。2009年5月にポーランドで撮影(2018年 ロイター/Peter Andrews)
欧州連合(EU)は20日、2030年までに再生可能エネルギーの比率を32%に引き上げ、エネルギー全体の効率を32.5%改善するという目標を掲げた新ルールをまとめた。
EUは地球温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定に基づき、2030年までに温室効果ガスの排出量を1990年の水準から40%削減することを目指しており、EU加盟国は各国の実行計画を策定する必要がある。
2021年以降のエネルギー効率および再生可能エネルギーに関する新目標と実施状況を監視するルールの策定に向けた欧州議会とEU加盟国との話し合いは数カ月に及んでいた。
環境団体や環境問題意識が高い政策関係者からは今回の新ルールではパリ協定の目標を達成することは依然として難しいとの声が出ていたが、排出量削減に向けた取り組みによる経済への影響を懸念した加盟国が抵抗したという。
環境を重視する議員は「気候に関する義務を達成したいのなら、いつかは新ルールを強化する必要がある」と述べた。
今回の新ルールには2023年に目標の上方修正を可能とする条項が付与されている。
トムソン・ロイターのアナリストは、再生可能エネルギーの目標変更によって、EU域内排出量取引制度(ETS)における炭素価格が将来的に影響を受ける可能性があると指摘。発電における再生可能エネルギーの使用拡大によって電力部門の炭素排出量が減少し、ETSにおける排出量取引の需要低下が見込まれるとし、2030年の1トン当たり炭素価格予想を6ユーロ引き下げ29ユーロとした。
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