米朝首脳会談、1972年のニクソン訪中と外交的意義はどう違う?
トランプ氏はツイッターで、大統領が北朝鮮トップと会談すること自体が米国にとって大損だという主張を「負け犬の遠吠え」になぞらえた。また同氏は、会談後の記者会見で「正恩氏が本気で非核化を望んでいると思う」と述べ、北朝鮮側の主要な要求である米韓合同軍事演習の中止にも前向きな姿勢を表明した。
ただ直近の3代の大統領はいずれも北朝鮮から非核化の約束を得たが、すべて反故にされてきた。
専門家の間でも、今回の首脳会談は、1972年にニクソン大統領が中国を訪れて長年にわたる米中対立の打開に道を開いた動きには、到底及ばないとの声が聞かれる。
トランプ氏の主張では、北朝鮮が非核化に実際に取り組むまで米国は制裁を続けることになる。だが緊張が緩和されることで、中国と韓国は北朝鮮に約束を確実に守らせる上で不可欠な制裁措置を完全に履行し続けそうにない。
今年に入って米国務省の対北朝鮮交渉担当者を辞めたジョセフ・ユン氏は、北朝鮮が近く「米国がわが友人であるなら、制裁を緩めてくれても良いではないか」と言い出し、非核化プロセスの枠組みそのものがなし崩しになってしまう事態を懸念している。
(Matt Spetalnick、David Brunnstrom記者)
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