米朝会談を「キャンセル」されても平気な理由
しかし、そのような強力な防衛ネットワークが築かれた結果、経済的に重要な中国との関係が冷却化していた。中国とロシアは、THAAD(高高度防衛ミサイル)など、アメリカの先進的なミサイル防衛システムが韓国に配備されることに批判的な姿勢を崩していないからだ。
文は、前任者である保守派の朴槿恵(パク・ クネ)に比べて穏健派とみられており、就任時にはTHAAD配備に懐疑的なことを述べていた。朝鮮半島の統一に前向きな意見を抱く韓国国民が増えれば、アメリカの軍事力は韓国にとってこれまでほど魅力的に感じられなくなるかもしれない。
「(北朝鮮は)いまアメリカと首脳会談をしなくても一向に構わない。プランBがしっかり機能しているからだ。中国との関係を大幅に修復し、ロシアとの関係も強化しつつある。韓国も(4月27日の南北首脳会談で合意した)板門店宣言を推し進めたいと思っているだろう」と、38ノースのジェニー・タウン編集長は述べている。
「いま仲間外れになっているのは、アメリカだ」
※武力衝突から再度の歩み寄りまで、今後の展開を徹底検証した「米朝新局面 今後のシナリオ」特集(2018年5月29日発売)はこちらからお買い求めいただけます。