攻勢強める北朝鮮 韓国メディアの「脱北謀略説」利用し集団脱北者の返還求める
文=トランプ首脳会談で秘策は出るか?
朴槿惠前大統領とその友人チェ・スンシルによる国政壟断を批判し、保守政権による積弊一掃を合い言葉に大統領になった文大統領。そんな彼にとって今回の北朝鮮レストラン従業員事件謀略説は、政敵が政権内に仕掛けた時限爆弾を見つけ出した、というようなものだろう。見て見ぬ振りをすれば、北朝鮮は「板門店宣言」の精神に反するとさらに攻勢を強めてくるだろうし、さりとて脱北した従業員たちと北朝鮮に拘束されている韓国人との交換などを提案すれば、「人権派」としての自らの信条に反する。取り扱いを間違えれば米朝首脳会談はおろか、今年1月からの北朝鮮との対話もすべて吹き飛びかねず、また6月13日に実施される韓国の全国同時地方選挙にも影響が大きい。
北朝鮮の攻勢を抱えた文大統領は、同じく金正恩の強硬な態度に悩むトランプ大統領との米韓首脳会談に向けて渡米した。果たして二人が金正恩攻略の秘策を生み出せるか、22日の両首脳による会談が注目される。
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