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米朝首脳会談北朝鮮が米韓軍事演習を非難 米朝会談への影響示唆、南北閣僚級会談は中止
5月16日、北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、米政府が北朝鮮の核プログラム放棄を一方的に主張し続けるならば、北朝鮮は米国との首脳会談開催を再考するかもしれない、と伝えた。写真は4月27日の南北首脳会談の夕食会での北朝鮮の金正恩委員長と韓国の文在寅大統領。代表撮影(2018年 ロイター)
北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は16日、米政府が北朝鮮の核プログラム放棄を一方的に主張し続けるならば、北朝鮮は米国との首脳会談開催を再考するかもしれない、と伝えた。
KCNAはまた、北朝鮮の金桂冠・第1外務次官の発言として、米政府が北朝鮮に対してリビア方式の非核化を要求するのであれば、米朝首脳会談および二国間関係の先行きは「なくなるだろう」と表明した。
これに先駆けて、北朝鮮は同日、米韓両軍による定例の共同訓練「マックス・サンダー」について、関係修復ムードに水を差す「挑発行為だ」と非難したうえで、同日予定していた韓国との閣僚級会談の中止を発表。KCNAが伝えた。
韓国の聯合ニュースによると、KCNAは「韓国との挑発的な共同軍事訓練を踏まえ、米国は予定されている米朝首脳会談の運命について慎重に熟考する必要があるだろう」と警告した。
韓国統一省は16日、北朝鮮が南北閣僚級会談の中止を決定したことは「遺憾」であり、4月に両国が合意した「板門店宣言」にそぐわないとの見解を示した。
統一省の報道官は「米韓が毎年行う合同空軍演習を理由に北朝鮮が閣僚級会談を一方的に見合わせる決定を下したことは、板門店宣言の精神にそぐわず、遺憾だ」と述べた。その上で、北朝鮮に対し早急に協議に復帰するよう促し、16日に同国に公式文書を送ると明らかにした。
米国の譲歩を試すとの見方も
突然中止を通告することで北朝鮮は、米朝首脳会談を控えトランプ米大統領が譲歩する用意があるかどうかを試そうとしているとの見方がある。
米国務省のナウアート報道官は、米朝首脳会談の取りやめの可能性について北朝鮮側からの情報は何もないと述べ、引き続き会談を予定していると明らかにした。
同報道官は「北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長はこれまでに米韓軍事合同訓練継続の必要性と有用性に理解を示している」とし、「トランプ米大統領と金委員長との会談の計画を引き続き進めていく」と述べた。
米国防総省は、演習は防衛的な性格の定例訓練だと説明。国防総省の報道官は「米韓両軍は現在、毎年行っている春季米韓演習を実施している」と述べ、「これらの防衛訓練は、軍の準備態勢の基盤を維持するために米韓同盟が実施する年次定例訓練だ」と説明した。
また、今回の訓練で行う空軍演習「マックスサンダー」の日程は5月14─25日とした。
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