ユーロ圏1月CPI速報、前年比+2.5%に加速 サービスは鈍化
欧州連合(EU)統計局が3日発表した1月のユーロ圏消費者物価指数(EU基準=HICP)速報値は前年比2.5%上昇で、ロイターがまとめたエコノミストの予想および前月の2.4%上昇をわずかに上回った。欧州中銀本部で昨年7月撮影。(2025 ロイター/Jana Rodenbusch/File Photo)
[フランクフルト 3日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が3日発表した1月のユーロ圏消費者物価指数(EU基準=HICP)速報値は前年比2.5%上昇で、ロイターがまとめたエコノミストの予想および前月の2.4%上昇をわずかに上回った。エネルギー価格が押し上げ要因となった。
食品とエネルギーを除いたインフレ率は2.7%で横ばい。サービス価格の上昇率は4.0%から3.9%に鈍化した。
インフレ加速は歓迎できないが、1月のデータは欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁の見解から逸脱はしていない。ラガルド総裁は4会合連続の利下げを決定した先週の理事会後の会見で、インフレ率は今後数カ月はこの水準前後で推移した後、2%目標に向けて減速する可能性があると述べた。ただトランプ米政権の関税政策によって、物価や金融政策の見通しが変わる可能性もある。
1月のCPIに対するエコノミストの評価はまちまちだが、金利見通しを修正する動きにはなっていない。
ノルディア銀行は、インフレ率が来月2%近くになる可能性があると予想した。一方、INGはインフレ上振れリスクは緩和には程遠いとの見方を示した。
INGのバート・コリン氏は「インフレリスクが依然存在し、不確実性が高まる中、ECBが経済を支えるために金利をどこまで引き下げられるかが問題だ」と述べた。