インドネシアの警察拘置所で暴動 イスラム国が犯行声明、警官5人死亡
暴動が発生した国家警察機動隊本部の拘置施設に向かうインドシネシア警察の車両。facebookへの投稿より
<世界でもっともイスラム教徒が多い国であり、過激派組織の活動も盛んなインドネシア。今度は警察の拘置所施設で暴動が発生した。>
インドネシアの首都ジャカルタ南部、西ジャワ州デポックにある国家警察機動隊本部の拘置施設内で5月8日夜、拘留中の容疑者らによる暴動が発生、警察官5人が死亡した。警察は部隊を急派して鎮圧に努めているが、9日午後5時(日本時間同午後7時)現在、暴動は鎮圧されていない。
暴動に関して中東のイスラムテロ組織「イラク・レンバントのイスラム国(ISIL)」が犯行声明を出し、現場で殺害したとする警察官の写真や奪取したという武器の写真などをIS関連のネットにアップしているという。
現地メディアなどの情報を総合すると、8日夜、機動隊本部にある拘置所に収監されている収容者数人が警察官と騒乱を起こし、暴動に発展したという。
この騒乱を初めに起こした収容者が同拘置所に多数収監されているテロ事件関連の容疑者なのか、他の事件の容疑者なのかについて、警察は明らかにしていない。
収容者が警察の武器を奪い、抵抗を続けているとの情報もあるが、警察が確認を避けているため実情は不明という。
国家警察幹部は記者団に対し9日朝、暴動の発生と負傷者がでていることは認めながらも、死者に関しては「確認できない」と明言を避けていたが、9日午後になって警察官5人が死亡したことを明らかにした。
警察は「インターネット上に流れている暴動に関する各種の情報に惑わされないように冷静に対応してほしい」と、IS側が流しているとみられる暴動関連の情報にインドネシアのメディアや市民が過剰に反応しないように求めた。
7日の爆弾テロ容疑者逮捕と関連か
地元テレビ局は9日、警察病院に6体の遺体が司法解剖のため搬送されたと伝えているが、警察官5人のほか残る1人については警察官なのか収監者なのか現状では不明だ。
インドネシアでは5月7日にジャカルタ南部のボゴール県メガムンドゥンで爆弾を製造中の男性3人が反テロ法違反容疑で警察の対テロ特殊部隊などによって逮捕された。
現場となった商店からは鍋、化学物質、電源コードなどが押収されており、3人は爆弾テロを計画していたとみられている。
一部情報では3人は「イスラム国(IS)」とつながりがあるとみられ、警察がISとの関係を捜査している最中だった。