インドネシアで爆弾テロ、13人死亡 キリスト教会3か所で連続発生
爆発による炎に包まれたアルジュナ通りのペンテコスタル教会 Antara Foto Agency-REUTERS
<イスラム教の断食月を控えて、世界最大のイスラム教国インドネシアでは自爆テロが発生、緊張が続く──>
インドネシアのジャワ島東部にある第2の都市スラバヤ市内にあるキリスト教の協会3か所で5月13日午前、爆弾が爆発する事件が相次ぎ、これまでに13人が死亡、約40人が負傷した。爆発は自爆テロによるもので国家警察はテロ事件として捜査を始めた。
世界最多のイスラム教徒を擁するインドネシアでは5月16日前後からイスラム教徒の重要な行事である「プアサ(断食)」が始まる。また6月末にはスラバヤのある東ジャワ州で州知事選挙を含む地方統一首長選挙、さらに8月には来年に控えた大統領選挙の正副候補者届け出の締め切り、と宗教上、政治上の重要日程を控え、全土で警戒を強めているところだった。
バイクの自爆犯が教会敷地に侵入
13日午前7時(日本時間同日午前9時)過ぎ、スラバヤ市内にあるカトリックのサンタマリア教会の入り口付近で大きな爆発が発生した。現場の状況からバイクに乗った自爆犯による爆弾テロとみられている。
同教会では日曜日の恒例のミサが始まる前の信者が三々五々集まってくる時間帯で、巻き込まれた関係者ら4人が死亡し多数が負傷してスラバヤ市内の病院に搬送され手当てを受けているが、重傷者も多く犠牲者の数は今後増える可能性もあるという。サンタマリア教会では警戒に当たっていた警察官2人も負傷して病院に搬送された。
さらにディポネゴロ通りのプロテスタント教会、アルジュナ通りのペンテコスタル教会でも相次いで爆弾テロが発生。地元警察の発表ではプロテスタント教会で3人が死亡、ペンテコスタル教会で2人が死亡したほか、さらに4人の死亡が確認され、同日の同時多発爆弾テロでの死者は午後5時(日本時間午後7時)の時点で13人に達したという。地元警察はスラバヤ市警本部にメディアセンターを開設して報道陣の対応に当たっている。
同日夕方にはジョコ・ウィドド大統領、ティト・カルナフィアン国家警察長官らが現場となった教会と負傷者が入信している病院を訪問した。
これまでの捜査では自爆テロ犯は3か所とも女性犯人とみられ、カトリック教会とぺんてコスタル教会で不発の爆弾が3個発見され、爆発物処理班が処理したという。
さらにもう一か所のスラバヤ市内の教会でも自爆テロが行われようとしたが、警戒中の警備員によって爆破は阻止されたとの情報もある。
なお日本大使館によると、これまでのところ今回の連続爆弾爆破テロ事件に巻き込まれて死傷した日本人はいない模様だという。