おどろおどろしい溶岩の世界!?木星の北極の正体が公開される
伊ローマの宇宙物理学惑星学研究所(IAPS)のアルベルト・アドリアニ氏は、「ジュノーの探査活動に着手する前は、木星の両極がどのようなものなのか、想像の域を出なかった。しかし、現在は、ジュノーによって近い距離から両極を観測できるため、木星の両極の気象パターンや巨大な渦を撮影した赤外線画像を収集することができる」と述べ、ジュノーの成果を強調している。
木星の磁場は想像していたものと異なる
また、木星は、地球よりもはるかに強い磁場を持つことで知られているが、その仕組みについては、まだ十分に明らかになっていない。NASAの研究者チームは、木星の磁場に作用するダイナモを初めてマップ化し、その動画を公開した。
このマップでは、磁力線が木星から出現する領域を赤色、磁力線が戻ってくる領域を青色で示しており、南半球よりも北半球のほうが複雑な磁場であることがわかる。
このミッションの副主任研究員でもあるスペースリサーチコーポレーション(SRC)のジャック・コナニー氏は、「木星の磁場は、これまで想像していたものと異なることがわかった。木星の磁場環境でのジュノーの探査活動は、惑星ダイナモ研究の新時代の幕開けともいえるものだ。」とし、ジュノーによる今後の探査活動に期待を寄せている。
ジュノーは、2016年7月に木星の軌道に入って以来、およそ2億キロメートルを航行し、現行の予算案では、その探査活動が2018年7月で終了する見込みだが、研究者チームがミッションの継続を提案することも認められていることから、今後の動向も注目される。