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日本へマレーシア人観光客が殺到する舞台裏 リピーター増加で地方にもチャンス到来

2018年4月10日(火)18時31分
野本 響子(ジャーナリスト) ※東洋経済オンラインより転載

マッタ・フェアで旅行先としての日本の存在感は大変大きい。2018年2月のマッタ・フェアでの事前調査では、日本が初めてトップの旅行先に選ばれた。マレーシアでは2013年のビザ解禁以来、日本への観光客が伸び続けており、昨年度は過去最高の43万9500人。JNTOも、2018年3月にはこれまでシンガポールで統括していたオフィスをクアラルンプールにも設置している。

その理由をJNTOでは「日本各地への航空路線の新規就航や増便に合わせて、航空会社各社が実施したセールスプロモーションや、訪日旅行のピークシーズンに向けた旅行博出展や共同広告の実施」など「露出の強化」が影響していると分析する。ここでも、やはり旅行博への出展には意味があると結論づける。

今回のマッタ・フェアにもJNTOはジャパン・パビリオンを出展。東京都、千葉県、和歌山県、岡山市、沖縄県、群馬県などの地方自治体、JTBやH.I.S.などの旅行会社、JR各社や私鉄、ホテルなど、20以上のブースがひしめく。日本や日本文化を紹介するイベントや和服の着付け体験なども開催され、どこも盛況だ。

日本への旅行客が伸びているのは「VIP」3カ国

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JTBブースにて。一番左側が企画部マネージャー大倉恭子さん(筆者撮影)

こうした訪日客への地道なプロモーションの最前線にいるのが、日系の旅行会社といえるだろう。

JTBアジア・パシフィック本社はシンガポールにあり、アジア太平洋地域14の国と地域を統括する。今回のマッタ・フェアでも日本パビリオンに大きなブースを構えていた。

シンガポールから、このフェアのために来馬したのが、同社の企画部マネージャー大倉恭子さんだ。

「以前は日本から海外に行く観光客が圧倒的に多かったのですが、それが近年逆転しました。日本国民が海外旅行へ行かなくなる一方で、ASEAN諸国ではどこも国民の所得が上がり、旅行する人が増えているのです」と話す。

「近年特に日本への旅行客が伸びているのはVIPと呼ばれる3カ国。ベトナム、インドネシア、フィリピンですね。どこも経済が強くなって国民の所得が伸びています。弊社ではこのほか、シンガポール、マレーシア、タイでの訪日旅行プロモーションに力を入れています」

そう。日本の人気はマレーシアだけではなく、アジア全体で増えている。旅行オンラインサイトのアゴダの調査によれば、2018年の春節の旅行先で東京が初めてトップに選ばれるなど、日本旅行は今ブームなのである。

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